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ドクターSOS

相談内容-6 「宿直回数が多く、心身ともに限界です」

今の病院に勤務するようになってから約1年が過ぎようとしていますが、以前勤務していた病院に比べて宿直回数が多く、月に10回ほどあり、宿直勤務が連日に及ぶこともよくあります。人手不足ということもあり、仕方がないと我慢してがんばってきたのですが、もはや心身ともに限界です。疲労から、明けの日勤の外来診療にも支障をきたしております。そもそも「宿直」とは、労務管理上あるいは法律上、いかなる取扱いがなされているものなのでしょうか。

解決

宿直勤務者については、労働基準法施行規則第23条において次のように規定しています。
「使用者は、宿直の勤務で断続的な業務について、所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合は、これに従事する労働者を、法第32条の規定にかかわらず、使用することができる。」
法第32条とは、1週間について40時間、1日について8時間を超えて労働させてはならないという規定のことです。宿直勤務者は、労働基準監督署長の許可を得た場合には、この32条と、これに付随して、休憩(法第34条例えば勤務8時間超で、少なくとも1時間の休憩時間を与えること)、休日(法第35条毎週少なくとも1回の休日または4週間を通じ4日以上の休日を与えること)に関する規定が除外されます。さらに、時間外・休日労働の割増賃金(法第37条法定時間外労働;通常の労働時間の25%以上の支払い、法定休日労働;通常の労働日の35%以上の支払い)に関する規定も除外されます。
 
所轄労働基準監督署長の許可基準については、

  1. 勤務の態様は、常態として殆ど労働する必要のない勤務、また、原則として、通常の労働の継続は許可しない。
  2. その手当については、1日または1回につき、宿直勤務を行うことが予定されている同種の人(ここでは医師)に支払われる賃金の1人1日平均額の3分の1以上の支払いを要する。
  3. 相当の睡眠設備があること。
  4. 宿直の回数については、週1回を限度とする。

なお、医師、看護師等については上記一般的許可基準に加え細目として、

 (イ) 通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。
 (ロ) その業務については、一般的宿直業務(緊急電話の受理、訪問者の対応、盗難の予防など)以外に、病院の定時巡回、異常事態の報告、少数の要注意患者の定時検脈・検温等、特殊の措置を必要としない経度の、または短時間の業務に限ること。(救急患者の診療または入院、患者の死亡・出産等があり、昼間と同態様の労働に従事することが常態であるようなものは許可しないものとし、このような態様の労働が「稀に」あっても許可を取り消さないが、その従事した時間については法第37条に規定する時間外・休日労働の割増賃金を支払うこと。)
 (ハ) 十分に睡眠がとりうること。

という基準も設けられています。

以上労働基準法令の規定ですが、ご質問の場合、宿直が「月に10回」とありますので、このことだけですでに労働基準法令違反となります。
そしてなにより、「宿直勤務が連日に及ぶ、」というのがとても気になります。というのも、昨今の医療事故の原因として挙げられるものの中に、少なからず医師の疲労に因るものがあるからです。最悪の事態に陥り、病院側がその責任をとってくれるのならまだしも、病院側が、事故を医師個人の責任に帰す例もあるのです。また、医師の過労死・過労自殺に直結する問題でもあります。
ご質問の内容からはその具体的な勤務の態様等がわかりかねるところでありますが、医師の宿直の実態については、概して宿直勤務者の労働基準法令の規定に合致しないことが多いようです。その背景には、政府の医療費抑制政策、医師不足などがあり、開設者である病院側にもいろいろと頭をかかえることがあるのでしょうが、だからといって法令を無視するのは、最終的にはそんな病院側にとっても、何らいいことはもたらさないと言えましょう。
お互いがよき方向に進めるよう、できれば専門家をまじえた話し合いの場を早急につくるのがよろしいかと思います。

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